FC2ブログ

☆藤本×こばと

・・・愛しい人。~消えた記憶~

 ←・・・水のいたずら。 →・・・愛しい人。~それでもそばに~

*今回は初の長編です。


あらすじを言うと、こばとの記憶が消えてしまう話です。




悩んだ末に、藤本を泣かせてみました。




いろいろとカオスですが最後までおつきあいください・・・。




ではどうぞ。






















春には桜が咲いて、夏にはひまわりが咲く。




俺のそばには、いつだってお前の笑顔があった・・・










・・・愛しい人。~消えた記憶~








「藤本さーん!」




とある秋の昼下がり、涼しげな公園のベンチにひとりの青年が腰掛けていた。




その青年のもとに、帽子を被り、長いスカートに長い髪の少女が駆け寄ってきた。




どうやらふたりは待ち合わせをしていたらしい。






青年の名は藤本清和。




少女の名は花戸小鳩。






6年間、お互いを思い続け、ようやく会えた大事な人同士だった。






「すみません、お待たせしました。」




息をきらせて走ってきたこばとが、嬉しそうにほほえんで言った。




藤本はそんなこばとを優しく見つめて、隣に座らせた。






「今日はあいつ、連れてこなかったのか?」




藤本はこばとの鞄の中にいつもいるぬいぐるみがいないことに気づいてたずねた。




「はい。今日は、お友達のところにいってらっしゃいます。」










藤本は、この日こばとに言おうと決めていたことがあった。




今なら言える。




そう思ったからだ。









「あっ!藤本さん!落ち葉さん捕まえましょう!!」




頭上の木から散ってくる落ち葉に気づいたこばとが元気よく立ち上がり、走り出した。




「・・おい。こけるなよ。」




藤本はため息をつきながらつぶやいた。




風に舞う葉っぱを、一生懸命捕まえようとするこばとだが、薄い葉っぱはまっすぐ散ってはくれない。




右に左にひらひらと、こばとの手を避けるように地面に落ちる。




それでもこばとは気にする様子もなく笑顔で手を伸ばし続ける。




藤本は、そんなこばとを嬉しそうに見つめていた。










この幸せが、いつまでも続くと思っていた。




このときは。












しばらくして、手のひらいっぱいに落ち葉を集めたこばとが藤本に駆け寄ってきた。




「見てください!こんなにとれました!!」




まるで小学生のようなこばとだが、その顔つきははじめてあった頃よりずっと大人びていた。








今のこいつにはきっと伝わる。






だから今日、それを伝えるんだ。






藤本がなにかを覚悟したようにこばとを見つめた。












しかし・・・
















一瞬の出来事だった。












「きゃっ・・!!」




静かだった公園に、いきなり突風が吹いた。




藤本とこばとはあまりの風に目をつぶった。




こばとの持っていた落ち葉は一瞬で飛び散り、地面に落ちた。








ただの風、だと思っていたのに。








どさ・・と音がして藤本が目を開けると、こばとがその場に倒れていた。




なにかがぶつかったのか、それともこけただけなのか・・・。




「おい、大丈夫か。」




藤本は言いながらこばとを抱きかかえた。








いつもみたいに、ドジ、って言うつもりだった。








「・・!おい!」




こばとは、意識がなかった。




呼吸はしているものの、ぐったりとしていて顔は少し苦しそうだった。




いつの間にか黒々としてきていた空が、いっそう藤本の不安をあおった。










「・・藤本!こばと!!」




聞き慣れた、人ではないものの声に振り返ると、青いぬいぐるみが血相を変えて飛んできた。




異界、とやらの住人、いおりょぎだ。






いおりょぎは倒れたこばとと不安げな藤本を見つめ、舌打ちをした。




「ちっ・・。嫌な予感がするぜ・・・。」




そういったいおりょぎの言葉に藤本が飛びつく。




「嫌な予感って・・こいつはどうなってるんだ!?」




いおりょぎは黙ったまま、目を閉じたままのこばとを見た。




もしかしたら・・・。






「・・・ん・・・。」




ふいにこばとが目を開けた。




自分の状況がよくわかっていないらしく、藤本に抱えられたまましばらく目をぱちぱちさせていた。




「・・!おい、大丈夫か!?」




藤本が声をかけると、こばとはいっそう目を丸くして言った。








何年も待ち続けて、ようやく会えた愛しいもの。




これからはずっと一緒にいられる。






そう思った矢先にささやかれた言葉は、藤本の心に突き刺さった。










「・・あの、どちらさまでしょう・・?」









そばにいる青いぬいぐるみには、いおりょぎさん、と声をかけた。




したがって、どちらさま、といわれたのは藤本だった。








「こばと・・お前藤本のこと・・・覚えてねーのか!?」




いおりょぎが怒りを含みながら言った。




こばとは首をかしげて、




「藤本さんとおっしゃるのですか?」




と言った。






藤本は驚いたような悲しいような、複雑な表情でこばとを見つめた。




「どうなってるんだ・・?なんで・・俺のこと・・・」




いおりょぎは悔しそうに舌打ちをしてくるりとうしろをむいた。






「調べてくる。こばと、こいつとここにいろ。」






言うなりいおりょぎはやってきたときよりもすばやく飛んでいった。




そんないおりょぎを見送ったこばとは、ベンチの前にしゃがみこんだままの藤本に声をかける。




「あの、私を知ってらっしゃるのですか?」




不安げに、ささやくように言ったこばとを見上げて藤本はため息をつく。




「お前、俺のこと覚えてないのか・・・。また、記憶が消えたのか・・?」






また、という言葉にこばとは反応した。




だが、自分がその言葉に反応した意味が、こばとにはわからなかった。
















中編に続く

















関連記事
スポンサーサイト





もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png ブログ
もくじ  3kaku_s_L.png ★藤本
もくじ  3kaku_s_L.png ★こばと
もくじ  3kaku_s_L.png ☆藤本×こばと
もくじ  3kaku_s_L.png ◇藤本×こばと
もくじ  3kaku_s_L.png ☆和斗×清花
もくじ  3kaku_s_L.png ★いおりょぎ
もくじ  3kaku_s_L.png 藤本家
もくじ  3kaku_s_L.png その他
もくじ  3kaku_s_L.png ・・・不思議。
もくじ  3kaku_s_L.png コメント返し
もくじ  3kaku_s_L.png 記念もの
もくじ  3kaku_s_L.png 裏?
もくじ  3kaku_s_L.png 図書館戦争
もくじ  3kaku_s_L.png 空飛ぶ広報室
  • 【・・・水のいたずら。】へ
  • 【・・・愛しい人。~それでもそばに~】へ

~ Comment ~

1 ■無題

うぉぉぉぉー!!

続き気になる!!☆


更新めっちゃ楽しみにしてますっ!


それと、
こばとのガイドブック買ったんですねっ

羨ましいぃぃ(笑

明日から本屋さんで探してきます




明後日からテストだった…(゜Д゜)
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【・・・水のいたずら。】へ
  • 【・・・愛しい人。~それでもそばに~】へ