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☆藤本×こばと

・・・水のいたずら。

 ←・・・けんかするほど。 →・・・愛しい人。~消えた記憶~


「ぷーるって、何をする場所なんですか?いおりょぎさん。」




世間知らずで常識知らずのこばとが言った。




聞かれたいおりょぎは、泳ぐところだ、と答えた。




「楽しそうですねー。ぷーるって・・・。」










・・・水のいたずら。








ことのはじまりは、藤本がバイト先でもらってきた大量のチケットだった。




「優先招待券?もらっていいの?」




清花は受け取りながら、聞いた。




「はい。温泉でもプールでも、行けますから。」




自分は行かないから、とつぶやきながら後ろできょとんとしているこばとを見つめた。




「・・・なんだ、お前もほしいのか?」




こばとはいえ、と言ってチケットを一枚手に取った。




「これは・・・?」




いまさらこばとの常識のなさには驚かない藤本が説明をはじめた。




「つまり、タダで遊びに行けるんだよ、それがあれば。」






こばとはしばらくそのチケットを見つめ、とたんに笑顔になった。






「じゃあじゃあ、よもぎ保育園のみなさんで行きましょう!!」




目を輝かせて、こばとは言った。




「そうね。プールなら、子供たちも楽しいでしょうし。」




清花は優しくほほえんで言った。




それから、もちろん藤本くんもよ、とつけたした。






翌日・・・






「みんな、水着持ってきたかー?忘れ物無いな?」




藤本がめずらしく小さめの鞄を肩にかけて園児たちに言った。




今日は一日かかることを見越して、バイトは入れていないのだろう。




園児たちは元気にはーい、と返事をして、嬉しそうに笑った。






そのうしろで、こばとも嬉しそうに、楽しそうにほほえんでいた。






こばとはめずらしく膝より上までのスカートだった。




薄い水色に、白い刺繍が入ったワンピース。




帽子ではなく、服と同じ色のヘアバンドをつけていた。






「さぁ、行きましょう。」




清花も小さな鞄をふたつ持って、扉に鍵をかけた。








プールに到着し、着替えをすませた園児たちは、広々としたプールに目を輝かせていた。




もちろん、園児たちが入るのは水深が大人の膝ほどしかない、浅いプールである。




浅いとはいえ、目を離すわけにはいかないため、藤本と清花もそのプールに足を入れる。




一方、こばとは・・・。






「・・・お前、泳がないのか?」




着いて早々、着替える園児たちを手伝いこばとはそのままプールサイドの濡れていない場所に座った。




「はい。私水着を持っていないので・・・。ここで見てます。」




ふーん、と言いながら藤本は去っていった。




嬉しそうに騒いでいる園児たちを見つめながら、小声でいおりょぎと会話をする。




「みなさん楽しそうですねー。私も楽しくなってきました。」




「そうかよ・・・。どっちみち、お前泳げなそうだしな。」




嫌味のようにいったのだが、どうやら図星だったらしい。








ふと、満里奈がプールからあがってこばとのほうに走ってきた。




「ねぇこばとちゃん!おトイレついてきて!」




こばとははい!と言って立ち上がった。




「こばとちゃんは泳がないのー?」




手をつないで歩きながら満里奈がたずねた。




こばとは泳げないのです、と恥ずかしそうに言って、トイレに着いた。






事件がおきたのは、このあとだった。




このプールは、入り口を入ってすぐ大人用の大プールがあり、中、小と続いているのだが。




もちろんトイレは入り口をいったんでなければならず、水深が2メートル前後の大プールの横を通らなくてはいけない。




普通に通ればなんの問題もないのだが。






運悪く、この日別の団体もこのプールにやってきていたのだ。




おそらく大学生くらいの、ちゃらちゃらした男たちだった。




ろくに前も見ずに歩いていた男たちが、手をつないだこばとと満里奈の間に入るようにしてぶつかった。




それほど強くつないでいたわけではないため、手はすぐに離れた。




「満里奈ちゃん!!」




こばとが歩いていたのは壁側。




つまりプール側を歩いていたのは満里奈であった。




さらに、そのプールは、大プールだった。






ぶつかったはずみで、満里奈は大プールに落ちてしまった。




満里奈は必死でもがいたが、そのせいで真ん中まで行ってしまった。




大学生たちは慌てて逃げていってしまった。




どこまで不運なのか、大プールで泳いでいる大人は誰もいなかった。




「こばとちゃん!」




満里奈が半べそでこばとを呼び、さらにもがき続けている。






こばとは気がつかないうちに、服を着たままプールに飛び込んだ。






騒ぎを聞きつけた清花と藤本は、大プールに駆けつけた。






が、満里奈はほぼ疲れ切ってもう沈みそうな勢いだったが・・・。






「こばとちゃんは!?」




飛び込んだはずの、こばとの姿がない。




まさか・・・






藤本と清花は同時にプールに飛び込んだ。




清花は満里奈を抱えて、すぐにあがってきたが・・・。




こばとはすでに、真ん中程まで沈んでいた。




こばとの長い髪が水中で舞うのを見つけ、藤本は急いだ。




藤本はプールに沈んでいくこばとを必死で抱きかかえ、水面へと急いだ。






水面へと顔を出した藤本が、慌ててこばとに声をかける。




「おい!返事しろ!!」




しかし、こばとはぐったりとしたまま動かない。




藤本はこばとを抱えたままプールサイドにあがり、そこに寝かせた。






「こばとちゃん!!しっかりして!!」




泣きじゃくる満里奈を抱えながら、清花が叫んだ。




服を着たまま飛び込んだため、すぐに沈んでしまったのだろう。






「・・・う・・・。」




うっすらと、こばとが目を開けた。




水を含んだ服が重いのか、だるそうに動いた。




「よかったぁ・・・こばとちゃん・・・。」




清花が、今にも泣き出しそうにこばとをなでた。




苦しそうなこばとを、藤本が後ろから支え、身体をおこした。






「こばとちゃん!」




満里奈がびっしょりのこばとの抱きついてわんわん泣いた。




「満里奈ちゃん!無事でよかったです。」




こばともびっしょりになった満里奈の髪をとかすようになでた。






「ったく・・・。泳げないなら飛び込むなよ。しかも服のままで・・・。」




同じくびっしょりの藤本が、髪を絞りながら言った。




「藤本さんが助けてくださったんですか?」




藤本は無愛想にああ、といった。




こばとは申し訳なさそうにうつむきながらありがとうございました、と言った。






「でもま、なんともなかったならいい。」




言いながら藤本はそっぽをむいた。




不思議そうに藤本を見つめるこばとに、清花がそっとつぶやいた。




「心配してたわ、藤本くん。3回くらいこばとって叫んでたし。」








暑い夏の、ちょっとした出来事。




いつまでも素直になれない藤本への、水のいたずら。












*****コメント*****




お久しぶりです。




まだテスト終わってないんですが、書いてみたら書けちゃったんで更新。






プールネタです。




ホントはもっと激しく(?)したかったけど、ツンデレ相手じゃこれが限界・・・ww






長編は明日うpします。

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