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◇藤本×こばと

・・・夜桜の呪い。後編

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人は、忘れたい記憶ほど鮮明に覚えていて




ときどきそれが、悪夢としてよみがえる。






人は、俺は、それを恐れているんだ。










・・・夜桜の呪い。















庭でいつも通り、草木に水をやっていた琥珀は、たずねてきたらしき人影を見つけた。




「こばとさん。こんにちは。」




水やりの手を休め、琥珀は明るい笑顔を向ける。




いつもなら同じくらいの笑顔であいさつをするこばとが、めずらしく悲しげに小さく微笑んだのを見た琥珀は、少し




心配そうにこばとに駆け寄った。




「こばとさん?どうかなさったのですか?」




琥珀はうつむいているこばとの顔をのぞき込むように聞いた。




こばとは少しだけ顔をあげ、琥珀に言った。




「琥珀さん。あの、お時間あったら・・・お散歩に付き合っていただけませんか?」




琥珀は少し驚いて、すぐにはい、と返事をした。








琥珀は、こばとからすべてを聞いた。






今にも涙をこぼしそうなこばとを、琥珀はつらそうに見つめる。






好きな人を失う苦しみ、悲しみは、十分わかっているから。






「私、藤本さんに嫌われてしまったんですね。こんな私じゃ、駄目なんですよね。」




ドジだから、とつけたしながら、こばとが言った。






散り始めていた桜が、風で空を舞った。








「・・・・また来たのか、いおりょぎ。」




出かけようとしていた藤本の上着のポケットに黙って入り込み、いおりょぎはうなずいた。




藤本はため息をつきながらも、いおりょぎをつれて、家を出た。






「言いたいことはわかってる。だから今日、言いに行く。それだけだ。」




藤本がいおりょぎに言って、いつも以上に険しい顔をした。




いおりょぎは黙って、腕を組んでいた。






「・・・俺じゃ、駄目なんだよ。」




しばらく黙ったままだったいおりょぎが、苦しそうに口を開いた。




藤本は立ち止まり、続きを待つ。




「こばとは・・・俺じゃ、駄目なんだ・・。悔しいけど・・・。」




もちろん、堂元や清花や沖浦でも駄目なんだ。






「こばとが好きなのは、お前だけだからな・・。これからもずっと、そうだろうから。」






こばとのそばにいて、支えてやりたいのに。




こばとは藤本じゃなきゃ支えてやれない。








こばとは、自分の願いを捨てて、藤本を選んだ。




それくらい、大事だから。




「頼む藤本・・・こばとを幸せに出来るのは、お前だけなんだ。」




ポケットの中でうつむいたいおりょぎが、いつになく弱そうに小さくなった。






ちょうどそのとき、公園から声が聞こえた。






「私は、藤本さんが幸せなら、それでいいんです。ほかの誰かと、幸せになるほうが・・・いいなら・・。」




こばとの声だった。




ベンチではなく、数年前こばとが寝床として使っていた遊具の上に座ったこばとと琥珀の後ろ姿。




藤本は、気づかれないように木の陰に隠れた。




「でもこばとさん・・つらそうです・・・。すごく。」




琥珀は切なそうにこばとを見つめる。




こばとはむりやり作った笑顔で言う。




「藤本さんのこと、私はいまもこれからも、ずっと大好きですから。それでいいんです。」




必死に涙をこらえ、微笑むこばとを見ているのがつらくなったいおりょぎが、ポケットから飛び出して木に登った。




「藤本さんは、こばとさんが好きです。だからこそ、あのときのように、こばとさんがいなくなってしまうのが怖いの




ではないでしょうか・・。」






あのとき、のことを忘れたわけではない。




大事だと気づいたとたん、いなくなってしまった。




母親に捨てられた藤本にとって、二度目の悲しみだった。








だから・・・・






必死に涙をこらえていたこばとの身体が、誰かに後ろから抱きしめられた。




振り向かなくても、わかるその腕の主は、こばとの頭の上で言った。






「ごめん、こばと。俺・・・」




思ってもいなかった出来事に、こばとはただ驚いて、目を見開いた。




藤本はこばとを抱きしめる手を少しだけ強め、一気に言った。




「俺はお前のこと、嫌いになったわけじゃない。ほかの誰かがいるわけでもない。こばとが好きだ。」




こばとは力を抜いて、消えそうな声で言った。




「・・じゃあ・・・どうして・・・?」




「怖かった。あのときみたいに、お前がいなくなりそうで。」








夢を見た。




俺が母親に捨てられる、あの日の夢を。




その母がいつしか、こばとの姿に変わって。






いなくなるんじゃないかって、怖かった。






「じゃあ・・・私・・・。藤本さんのこと、まだ好きでいていいんですか?」




少しだけ涙声のこばとが、藤本の腕を軽く掴みながら言った。




「好きでいて、くれるなら。」








藤本さん・・!!








こばとは、包み込まれたまま身体の向きを変え、ものすごい力で藤本に抱きついた。




そして、あれから一度も見せていなかった、涙を見せた。




「藤本さん・・・!藤本さん、藤本さん!!」




今まで呼びたくても呼べなかった名前を、何度も呼んだ。










「こばとさん、もう大丈夫そうですね。」




「ああ。よかった・・・まったく、あいつらはいつまで俺をこの世界にとどめるつもりだ・・」






気を遣って、その場を離れて見ていた琥珀といおりょぎが、安心したように微笑みあった。














暗い世界には、暗いなにかが宿る。




光をともせばいいだけのなにかなのに、ともせないときがある。






それがきっと、夜桜の呪い。














*****コメント*****






ああああ!!!!!


ワケがわからなくなったーーーーー!!!!!






すいません・・・・orz





























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~ Comment ~

1 ■無題

タイトルめっちゃカッコイイですね!☆

夜桜の呪い。…

2 ■Re:無題

>み(OωO)なさん

いつも訪問&コメントありがとうございます。
タイトルは・・・最後の最後に決めました。
なんとなくです・・すみません・・・。
最終的にわけのわからない話になってしまったので、反省してます・・
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